日本の精神を次世代へと繋ぐ今昔物語

ある友人から
「みすずさん、巫女舞ご一緒しない?」と
メッセージがきたのが3月末。

私の人生において巫女舞というものは
観るものであって、
自分が舞うことになるとは夢にも思わず。

しかし、情報空間の師匠から
”ゴールを設定した瞬間にその欠片が降ってくる”と教わっているので

やったことのないこと
興味のないこと
絶対にやりたくないこと

これらの条件に当てはまるものであれば
とりあえずチャレンジする、と決めていたのです。

実技試験もあると知り
「そこまでしてやる?」と正直思いました😅

が!

”縁があるならば、合格するし
縁がなければちょっと体験するだけのこと。
参加することで新たな扉が開かれるのであろう”

と思い直し、申し込みました。

結果、
一次試験、二次試験と受けることになるのですが…

合否はどっちでもいい、と思いつつも
いざ試験、となると負けん気が出てくる自分を再発見🤣

普段やらないことをやると気づきがあるものですね。

そしてこの巫女舞、
最初は気軽な感じで応募したのですけれど
実は予想以上のプロジェクトでした。

日本の四季の移ろいに寄り添いながら、
人々の暮らしとともに生き続けてきた神事や儀式を軸に、

千年の時を超えて育まれてきた文化の真髄を一つの物語として紡ぎ出す、
壮大な舞台芸術作品だとありましたが…

完全なるご神事でした。

 

 

令和今昔四季物語絵巻

①大晦日 清め:住吉大社 小笠原流追儺歩射式
出演:小笠原清基 (弓馬術礼法小笠原流次期宗家)

②元旦 能「翁」奉納
出演:金剛永謹(能楽金剛流二十六世宗家 人間国宝)
大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流十六世宗家 人間国宝)

③年始め : 和歌披講 言霊の幸ふ国
出演:近衞忠大(五摂家筆頭 近衞家次期当主)

④花見・種まき:狂言 三番三 鈴の段
出演:茂山七五三(能楽師大藏流狂言方 人間国宝)
茂山千五郎(能楽師大藏流狂言方十四世当主)

⑤盂蘭盆会:悔過と盂蘭盆会の祈り
出演 : 加藤朝胤(法相宗大本山薬師寺 管主)

⑥中秋の名月:住吉大社 観月祭 奉納舞楽「蘭陵王」
出演:天王寺楽所雅亮会
蘭陵王舞人 小野真龍 (天王寺楽所雅亮会理事長)

⑦新嘗祭:「倭文」
出演:井上八千代(京舞井上流五世家元 人間国宝)

⑧年納め:能 「高砂 (仕舞) 」 (高砂を謡おう)
出演:大槻文藏(シテ方観世流能楽師 人間国宝)

⑨ 世界平和への祈念 :調和の精神 山の声と平和の風
(山伏による祈り・法螺貝の吹奏・巫女舞の奉奏)
出演 : 五條良知(総本山金峯山寺管長)
宮澤伸幸(一般社団法人日本文化伝承協会専務理事)

⑩フィナーレ

 

全4公演
会場であるシャインハットの観客席は満席。

宗家・人間国宝の御仁方の一挙手一投足に
時空間というものを超越した”場”が整い創り上げられていく様は

静寂の中に古からの今に受け継ぐ伝統とか人々の想いとか
そういった目に見えない情報が畳み込まれている異空間へと
誘われているかのようで

そんな中、会場の最上段に待機していた私達は
金峯山寺の山伏13名の法螺貝の音に先導され
榊を手に持ち、一歩ずつ階段を降りながら

なんだか胸の奥のほうから熱いものが込み上げてきて
今、この場にいられることへの感謝だとか親・先祖へ想いとか
数々の点が繋がり連なってできた奇跡・・・

そういった言語化できない何かを胸に
巫女として70名の仲間と共に
とこしえの世界平和を祈念して舞を奉奏してきました。

本当に得難い体験をさせていただき
ありがとうございます。