先日、
教員の勉強会【まごころ塾】が約20年の幕を下ろす、ということで
その最終講演を聴きに行ってきた。
その存在は私が教員を辞めてからほどなく、
生徒のために自己研鑽に励む友人から教えてもらった。
事務局長である高崎市立佐野中学校の新井先生にご縁を頂いて
私も1度、登壇させていただいたことがあるが
本当に生徒のために必要な教育とはなにか、
そのために自分がどうあるべきなのか、を追求している勉強会だった。
最終講演は3月27日(金)に行われた。
昨今のコロナ騒動で
多くの人が集まるイベントごとは軒並み中止となっているなか
それでも全国から集まった人たちの数は多く、
どれだけ愛されていた勉強会なのか、
そしてどれだけ貢献してきた勉強会なのか、が伺い知れた。
もちろん、登壇する人以外は全員がマスク着用だ。
講師は公益財団法人修養団の寺岡賢(てらおか まさる)氏。
修養団とは1906年(明治39年)から114年間続いている最も古い、歴史ある社会教育団体であり
内閣総理大臣から「公益財団法人修養団」として、認定を受けている。
もともとは東京府師範学校に所属する学生たちから始まった
自分を磨き、高めることを目指す人達の集団。
学生から始まったが、師範学校に飛び火し、社会にも飛び火し
戦前だけでも、4代財閥、海軍を含め600万人の人が参加したと言われる。
創設者の初代の後援会長は渋沢栄一。
戦後も数々の有名一流企業が軒並み研修に活用しているという。
ちなみに戦前修養団でやっていた国民体操は
戦後、形を変えてラジオ体操として今もなお、国民に愛されている。
修身
養心
身を修め、こころを養う。
自分の心を磨き高めることを修養という。
私達が自分を磨き、高めるために
どんなことをしていったら良いのか。
また、子どもたちに何を伝えるのか。
それには先人たちの生き方にヒントがある、ということで
大和心に親しむ〜日本のまごころを学び続けよう〜というテーマで
約2時間の講演がスタートした。
寺岡さんのお話はとてもテンポが良く、
スッと心に響いて
とても有意義な時間となった。
天孫降臨の神話の話からスタートし
大和言葉、日本語、言霊の話、徳、祈り、
幸せになるためのヒント・・・等々
多岐に渡った。
例えば、別の機会で以前も聞いたことがあるが
日本語というのは世界でも稀にみる言語だそうで
すべての音に母音が含まれているのが特徴的なのだそうだ。
東京医科歯科大学 角田先生によると
10歳までに日本語を母国語として大事にして過ごすと
左脳がとても発達するという。
そのように育った人は
自然音など情動的な音を右脳ではなく左脳で聞いているという。
私達は鈴虫の羽音(鳴き声)を
風流だ、と感じたり季節を感じたりするが
外国人にとっては騒音でしかない、というから驚きだ。
そして大和言葉。
大和言葉とは漢字やひらがな、カタカナがなかった頃からあった日本古来の話し言葉で
50音一文字一文字に意味があり
音の一つひとつに神が宿り、神の働きがあるという。
だからこそ、言霊といい
だからこそ、我々は日本語を大事にするのだ、と。
日本語はとても奥深く、
私にとっても興味がつきないものの一つだ。
例えば
ヤマトタケルノミコトは
倭健命・大和武尊・日本武尊命・・・等々
いくつもの表記があるけれども
最初に音があって
あとから漢字を当てはめたから
同じ人を表わしているのに、少しずつ漢字がちがっていたりする。
それだけじゃなく、
例えば同音異字、といって
同じ音でも全く違う意味を成すものもある。
例えば”ついきゅうする”も
追求、追及、追究、と書けるが
その意味するところは少しずつ違う。
例えば”せいこう”するとは
成功、成幸、成貢、と書くことができる。
どんな意図をもって
その漢字を使うのか、
逆に言えばどんな意図があるからその漢字なのか。
たった50文字の組み合わせといえど
意味が豊富にあるのが日本語なのだ。
・・・と、こんな風に
日本について、また先人達が大切にしてきた心の学びを深めていった時間だったのだが
このBlogで伝えきれることができないくらいの重厚な内容であった。
参加者全員で唱和した語録があったのでそれをシェアに換えようと思う。
先祖の血、みんな合わせて子が生まれ。
この世に偶然はない。すべては必然である。
世直しは余直しである。
大和の和の心は受け入れる心。
神様に愛される生き方。
今日一日を喜んで生きていこう。
苦を喜び、苦を頂いていこう。
自分さておき、人様に。己忘れて精魂つくす。
心合わせて寄り添い生きる。
内容詳細は割愛するが
一つひとつに膨大なエネルギーが込められていた。
最後に印象的だった言葉がこちら↓
この世に偶然はない、すべて必然である。
出逢うこと全てに意味がある、ということ。
そして出逢うことで自分に出逢うことができる、と。
この講演中も
講演が終わった後のリアル生活の中にも
偶然を装った必然があることに気づいた。
それが紐解けたら
なんて楽しい世界に生きているんだ!って
歓びが自然と湧き上がる。
今日1日を
よろこんで生きていこう。
そして
神様に愛される生き方をしていこう。
そんな風に思えた講演会であった。
この講演会を最後に企画してくださった
まごころ塾の中心人物である新井先生と大木先生にあらためて感謝したい。
ありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。